本当に効果はあるのか?下腹ぽっこり改善に下剤は大丈夫なの?

本当に効果はあるのか?下腹ぽっこり改善に下剤は大丈夫なの?

1983年、米国の人気兄妹デュオだったカーペンターズの女性ボーカル、カーペンターズの妹カレンさんが亡くなったのは、ダイエットのために 毎日大量に服用していた下剤による拒食症と言われています。彼女は自分の体型を子供の頃から、コンプレックスを抱え、兄に何度も「ねえ、お兄ちゃん。私って太ってる?」と聞いていたそうです。最も太っている時代では、身長は163センチで体重は66キロ、女性であれば、これは確かに10キロ近くは太っています。晩年は過食症と拒食症の症状が繰り返し起こり、死去前日には食欲が少し出てきたところで、翌日に急性心不全で亡くなっています。死ぬ直前の体重は41キロだったそうですから、まさに”骨と皮”という感じだったでしょう。

 

ここまで急激に痩せるには、確かに嘔吐による摂食障害以上に、下剤も併用していたのではないか?という噂が出てもおかしくありません。そこで、今回は、下腹ぽっこり改善に、具体的に下剤は効果的なのか?とその弊害と危険性について解説します。

 

現在、下剤は市販されているの?

現在、市販薬でドラッグストアなどで売られているものの大半は、医薬用の下剤ではなく、漢方薬や生薬などを利用した血行や、消化を助けるための効果を狙ったお薬です。医療で使われる下剤は処方薬で、ダイエット目的では処方されません。そうした下剤は、慢性的で病的な便秘治療に使われます。つまり大腸に関する医療機関で、医師の診断結果で処方される処方薬が、本当の下剤です。

 

慢性的で病的な便秘には、大腸の機能が低下しているために起こる『弛緩性便秘』と、直腸に便が入っていても便意か起こらない『直腸性便秘』と、大腸にけいれんがあり、便がスムーズに出ない『けいれん性便秘』があります。これらの改善には、マグミットや、アミティーザなど、実際、下剤として病院で処方されます。

 

下腹ぽっこりは宿便と関係無い?

実際に下腹ぽっこりでお腹が膨らむとよくわかりますが、きっちり排便が上手くいっても劇的に引っ込むわけではありません。なぜなら、正常な人の排便量は、1日で100グラム~200グラムで、全体の3分の2が水分です。その内容も腸内細菌、セルロースや不消化物、胃や腸の分泌物や剥離した細胞などで、量も重さも大したことがないんですね。

 

一方で脂肪は、筋肉が約1,100グラムに対して900グラムと1キロ近くあり、体重の大半は筋肉と骨の重さです。例えば同じ身長ででも、皮下脂肪が少なく筋肉ムキムキの人は、痩せているだけの人より5キロも体重が重いことがよくあります。実際、私が50キロ台から11キロ増えた、明らかな下腹ぽっこりになった時は、多少便秘気味でしたが、1日の排便量で最大でも1キロには達しなかったように思います。やはり、1回の排便で、大体200グラムから300グラムあるかどうかですね。排便後に体重計に乗っていたので、これは確かなことです。従って、脂肪を減らす方が体重も減り、スタイルに変化が出やすいのは明らかでしょう。

 

太っている人が宿便になりやすいのは?

確かに太りやすい、あるいはすでに太っている方、メタボリックの方のトレイ時間は非常に長いですよね。踏ん張ってもなかなか出てこないことは多いようで、我が家の太った両親も、トイレ時間は私の3倍近くで、長い時は5分近くトイレに居るようです。それでも便秘ではないので、仮に便秘なら10分とか長時間居座っているのではないでしょうか?

 

ところで、下剤の効果は前述したように、大腸になんらかの障害を抱えているとか、大腸の機能が低下しているとかの原因がはっきりしており、これは体型と直接関係ありません、私も時折、1日排便がない日があったりして、一時的な便秘になりますが、その場合は1日デスクワークで座りっぱなしとか、外出が3日連続で無いなど、運動不足が起因している事が多いです。大腸も体温と血流に関係あるため、軽い運動を続けるようになってからは、ほとんど便秘はありません。平均で、朝夕、深夜に便意が来ますし、排便も比較的スムーズです。

 

しかし、一方の太っている両親の方は、1日中家に居て、運動は一切なくテレビばかり見ていますから、当然、全身の血流も悪く、また父親の方は慢性的な血管障害を抱えています。その要因が脂肪とアルコールや偏食による、コレステロールバランスの悪化で、血管内部が狭くなったことで起こる高血圧です。こうした血管内部が狭くなったり、血管の”壁”が分厚くなる血管障害の場合は、細い管を一定の血圧で無理矢理血液が流れるので、大腸にも必要な酸素が細胞に供給されず、結果、大腸の機能が低下して、いわゆる便秘気味となるわけです。

 

母親も毎日、ヨーグルトとか食物繊維でグラノーラなどをよく食べてますが、一向に便秘気味が解消しないのは、明らかに肥満で運動不足から筋肉が衰え、そもそも代謝に必要なカロリーを消費できない肥満体質から来るものだと推測できます。

 

こういう人たちはたとえ下剤を飲んだところで、下腹ぽっこり改善はまずないでしょう。

 

下剤を効果的にするためには、ダイエットと同じことをする?

医療で使われる下剤の効果を高めるには、『3度の食事をきちんと取ること』、『食物繊維をたっぷり食べること』、『水分をたくさん飲むこと』、『運動をすること』となります。これって、大半が下腹ぽっこり解消の基本、『必要な栄養素を食べる』、『消化吸収の良い食べ物を選ぶ』、『軽い運動をこまめに』とほぼ同じ内容です。

 

実際、下剤が必要なほど排便時に障害が出やすい人は、 食事や排便など生活習慣の乱れや、腸管運動の障害、ストレスなどの外的要因などによる消化不良が多く見られます。繰り返しますが、腸は栄養を吸収する機能は宿便でも失われていないので、体質的に水分をあまり取らない人は、腸に入った食べ物の水分を吸い取って便を固くするでしょうし、食物繊維が少ない食事なら、こうした食物繊維はそもそも水分を保持しているので、便も小さくコロコロと固くなるわけです。

 

また一様に、暴飲暴食以外に1日間食や食べる量も必要以上なら、便には大腸の腸内細菌も付着して排泄されるため、根本的に食べ物を分解する腸内細菌が減り、しかも数が減った分、繁殖力も弱くなっているのです。我が家の母親がいくら毎日ヨーグルトを食べてもトイレが長いのは、『運動しないから血流が悪い』のと、『血流が悪いから大腸機能が低下している』に加え、『血流が悪いため体温が低い』となり、結果、腸内細菌が居座ってくれない体質なんですね。

 

この我が家の母親のような体質の人が、下腹ぽっこり解消に、仮に下剤を使えば、今度は消化が出来ずに未消化の便が排出され、余計に腸内細菌が減って、病的に痩せる可能性は高いでしょう。つまり摂食障害と似たような体型になるかも知れないということです。

 

便秘でもないのに、ダイエットに下剤は危険!だから売られてない

下剤っぽい市販薬で、便秘解消で効果があるとされる『コッコアポ』というお薬の主成分は防風通聖散エキスという生薬が使われてます。これは医療用の漢方薬を市販薬用に効果を少し抑えたもので、効果の中心は体の水分循環を改善し、循環器系、つまり血流の改善を促すものです。医療用の処方薬である下剤とは根本的に違います。ネットで”下剤”で検索して見つかる製品も、ほぼ、食物繊維のサプリや、血液循環が良くなることが知られている中国茶の成分を使ったりしたものが多いです。

 

そもそも下剤とは、『排便を促すもの』であって、無理矢理胃の中の物を排泄するようなものではありませんし、腸壁にある宿便の元と呼ばれる腸壁にこびりついた滞留便も、1キロ近くこびりつくことは医学的にもありえません、宿便は大腸の内視鏡検査やX線撮影で確認できるので、結果、病的な宿便は食べすぎ以外の別の要因で、腸の機能が低下した場合に限って起こりやすいといえそうです。従って、下腹ぽっこりに下剤を使用というのは、宿便(慢性的な便秘)でもないなら、生きるために必要な栄養までもとれずに、栄養失調になってしまいます。これでは病的な痩せ方は出来ても、下腹ぽっこりだけ解消ということにはならないでしょうね。

 

便秘薬を長期服用する危険性とは?

美容・ダイエット効果があるという誤った情報が広まり、ドラッグストアで便秘薬を買ってきては、必要以上に飲んでいる人が、まだいるようです。しかし、すでに説明したように、市販の便秘薬は下剤のような直接的に大腸に作用する効果は無く、大半が血流改善のための成分など、言ってみれば体質改善を促すための助けになる生薬です。従って強制的に排便をして脂肪吸収を減らすといった、素人の想像とは全く違う効果となっています。毒ではないが、処方薬ほどの効果は無いということです。

 

しかも医療薬でも最初に解説した処方薬も、大腸の機能低下を改善するための、消化を正常に戻す作用が中心で、脂肪や栄養素の吸収を薬で抑えるといった効果はないのです。それに下腹ぽっこりがなぜダメなのかと言えば、スタイルが崩れるとか、皮下脂肪、内臓脂肪が他人よりも増えたということになるので、”排泄”ではなく”食べる方”に、ダイエットの中心を据えるべきでしょう。もっといえば、適切な食事量と運動のバランスが良ければ、消化は正常になって、そもそも便秘と無縁になるということです。

 

また、下剤には緩下剤や刺激性下剤と言ったものがあり、緩下剤の代表は酸化マグネシウム、刺激性下剤には、商品名でいうとアローゼン、プルゼニド、ラキソベロンなどがあり、これらは処方薬です。副作用としては、マグネシウムの血中濃度が高くなることで、他の薬の効果が効かなくなるなどがあります。慢性疾患を抱えている人は、特にこうした下剤は、医師の診断が無ければ使うことは出来ないでしょう。

 

便秘が太らせているのではありません!

結論としては、『太っているから便秘になる』のであって、自分が便秘気味だから下腹ぽっこりになっているというのは、順序が逆だということです。消化不良を改善することは、便通が良くなりますから確かに下腹ぽっこりでは、必要な栄養を取れる結果には繋がるでしょう。しかし、便通だけが良いだけの薬に頼った下腹ぽっこり解消では、筋肉や大腸機能に必要な血液中の栄養が足りなくなるだけで、結果はいくら食事量を減らしても、脂肪を減らす代謝が低下するだけで効果は、殆ど無いといえるのです。

 

ここで、最後に断言しましょう。下剤ダイエットは全く意味もない、ムダな浪費です。11キロ減量した私でさえ、1度も服用したことはありません。

 

まとめ

下剤そのものは、慢性的な便秘などには効果があるので、決して薬効として悪いものではないですが、そもそもが減量に応用できるという誤解が蔓延しているのは、かなり危険なことです。それに下腹ぽっこりの要因の大半は、内臓脂肪と皮下脂肪、それに代謝機能の低下や、食生活の乱れ、運動の仕方によるものです。皮下脂肪は体温を調節するのに必要なエネルギー源でもあり、過剰に減らせば良いものでもありません。また内蔵脂肪も完全にゼロなら、血糖値低下の時の長時間作業後には、疲労回復に悪影響が出ていきます。なんでもそうですが、急激で極端な下腹ぽっこり解消は百害あって一利なしです。今回は警告の意味も込めて、下腹ぽっこり解消と下剤の関係について解説しました。


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